一昨日アップした読書本で、題名のことにふれました。なんか日本語訳がしっくりこないと。
不思議なことがあるもんで、昨日読んでいた『藤沢周平全集18巻P476。よろずや平四郎活人剣「暁の決闘」』に、この題名ピッタンコの文章に出くわして、こんなことってあるんだなと、うれしくなりました。
こんな文章です。
『ーーーーどこの家にもーーーー
多かれ少なかれ家の中の煩いというものがあって、
それは金があるから免れ得るという性質のものでもな
かろう。それが人間のより集まりである世の中の自然
というものだろうから、この世は、貧富を問わずなか
なかに住みにくい仕かけになっているわけだ、と平四
郎は柄にもない感慨に耽った』
この中の「煩(わずら)い」に目をひかれたのです。「煩」は漢字源では「頁と、火(熱)とから成り、熱があって頭痛がする、ひいて、なやむ意を表す」とありますが、この「火」偏がちょうど「Little Fires」に重なって、とても腑に落ちるところがあったのであります。
そして、この文章はそのままこの本の要約そのものになっているのも、見事であります。
作者の Celeste Ng さんに読ませてあげたく思います。
ためしに DeepL にそのままほうりこんでみると、
「Every house has its own troubles,
and it is not something that can be avoided because of money.
This is the nature of the world
where people are gathered together,
and that's why the world is made to be a difficult place to live,
regardless of whether you are rich or poor.
Heishiro was deeply moved by this unusual sentiment.」
となって、このまま十分意味を伝える訳になっているのに、驚きました。
しかしながら、「煩」の「火」偏と題名との重なりの妙がなくなってしまって、
う〜ん🤔なのであります。
さて、この本の題名をこのようにしたら面白かろうとおもいます。
原題そのままのあとに
『Little Fires Everywhere 〜 煩いたち』
いかかでしょうか?