伊藤公雄氏との対談で伊藤氏が興味深いことをおっしゃられていた。
・1970年前後に欧州のフェミニズム運動が要求したことは、法制度上の家父長制の廃止、離婚ができる権利、レイプされた場合や病弱や経済的な理由での中絶の権利だった。しかし日本は敗戦後の段階でこれらはクリアされていた。
・フランスでは1965年まで結婚した女性は夫の許可なしに働いてはいけないと法律できめられていた。また、女性は65年まで自分の名前で預金通帳がもてなかった。
・欧州の多くの国で家父長制条項が法律から完全に排除されたのはたぶん80年代。
・米国では70年代までは女性は自分の名前でクレジットカードをもてなかった。州によってはもっと遅くて80年代になってからのところもあるとおもう。
やはりえっとおもってしまいます。
日本で婦人参政権が成立したのは戦後1945年10月10日に閣議決定されたとあります。最近のことなのです。ひとつの権利が認められ実施されるとはいっても、翌朝からすべてがガラッと変わることなどありません。それ以前、数百年数千年の蓄積が人の心には巣食っているのですから、それらを崩し廃棄しなければそれらの権利が日常で当たり前のこととはなりません。鑿(のみ)で硬い石を穿(うが)つようにコツコツ地味に崩し続けることが大切です。あせってはなりませぬ。
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