子どものころ、クリスマスケーキが街なかにあふれている日、めずらしく父が家に帰ってきたときがありました。
横浜駅西口の地下街だったとおもうのですけど、クリスマスケーキが山積みされて販売されていて、店員が大声で売りさばきクリスマスソングも聞こえないほどのにぎやかでありました。
わたしが父に何かを買ってくれとねだったのは、3回しかありません。母にきつく、ねだってはダメだといわれていたからですけど、それら3回はどうしてもおさえきれなかったのでした。
そのひとつが、その地下街でみたクリスマスケーキでした。それまで、クリスマスケーキなど買ったことも食べたこともありません。それが山積みになって壁のようになっているのです。
とうとう我慢しきれずに、「おとうちゃんあのクリスマスケーキ買って」と、ほんとうに緊張して、さっきまでは口の中はもうよだれがたれてきそうなくらいうるおっていたのですけど、カラカラにかわいてしまってようやくのことで、ねだったのでした。
父は壁のようなクリスマスケーキの山積みの前で立ち止まって、「明日になれば、安くなる」と一言。
やっとのことでおねだりしたのですけど、ダメといわれたのに気づくまで、頭の中はクリスマスケーキのように真っ白なのでした。
昨日、お隣さんから電話があって「クリスマスっでしょ、ステーキ買ってきて、今から持ってゆくから、出てきて」と、雨が降ってましたが即、迎えに出ました。
小さめな箱をぶら下げてる奥様、ニコニコ顔で「ハイっ」と、いただいたのはケーキなのでした。聞き間違えてしまった自分に笑えました。
夕食前のおやつどきに、いちごのショートをいただきました。
とてもとてもおいしかった。涙がにじみでてきそうでした。

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