2024年3月10日日曜日

「Agatha Christie;A Very Elusive Woman」を読んだ

 邦題は「アガサ・クリスティーとらえどころのないミステリの女王」。

わたしなら「アガサ・クリスティーとらえどころのない婦人」とします。彼女自身、昔のパスポートには(職業)婦人と記してました。

 裕福な家に生まれ、これといった学歴もない女性がまだまだ19世紀後半の風潮や因習が残り、女性蔑視や女性参政権などない社会で、たくさんの壁を乗り越え壊し、女流作家劇作家として成功してゆくはなし。

 女性作家がそういった社会をどう生き抜いてきたかがわかるだけでも、感動をおぼえます。

 表紙の見返しからけっこうな量の幼少から老齢までの写真があります。わたしは興味をおぼえて虫眼鏡で数度繰り返しみました。おもしろいことに、作者の章ごとのはなしと、この写真のながれが見事に一致していて、各章の要点がそれぞれ一枚ずつの写真であらわされているようで、写真がそれぞれの時代を語っているようでした。

 そして、各章の表紙にはアガサ・クリスティーの前半生は全身ですが後半生は顔写真が使われていて、これまた顔は語るということそのものの写真となっているのが印象的であります。

 Agatha Christie の小説以上におもしろい読み物になっています。

 

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