2024年3月31日日曜日

大日本物産圖會東京錦繪製造之図3

 大日本物産圖會の能書きを読んでみましょう。

 とても鮮明でかすれやにじみやかけやずれなど一切ありません。手彫りの木版なのでどんな異体字でもなんでもござれです。


『大日本物産圖會

錦繪ハ武州東京の名産尓し

て奉書(ホウショ)或ハ絹厂皮紙(キヌガンヒシ)ホに摺(スル)

と雖(イヘト)も伊豫(イヨ)の国西条(サイチウ)より出

す政紙(マサシ)尓て摺(スル)もの多し板ハ

櫻木(サクラ)を用ひ一ト色毎尓一枚

宛を刻し先墨板(スミイタ)より摺始(スリハシ)

めて色毎尓とり合せ上品のものハ

三十篇より四十篇の色を春り

合せ終(ツヒ)に一枚の錦繪と奈る宇ちハ

ハ房刕(バウシウ)より出す処の女竹を凡六

十尓割(ワリ)て窓(マド)をあ久錦繪を張縁(ヘリ)をとる也

東京錦繪製造之図


廣重画

画工 大鋸町四番地 安藤徳兵衛

(出版人 日本橋通一丁目十九番地 大倉孫兵衛)』


 大意は特に難しいところもなく、読んだままで理解できます。

団扇はやはりここに記されているような竹の本物のがよろしい。プラスティックの使い捨てはあおいでも、ちっとも涼しくありませぬ。

 

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