大日本物産圖會の能書きを読んでみましょう。
とても鮮明でかすれやにじみやかけやずれなど一切ありません。手彫りの木版なのでどんな異体字でもなんでもござれです。
『大日本物産圖會
錦繪ハ武州東京の名産尓し
て奉書(ホウショ)或ハ絹厂皮紙(キヌガンヒシ)ホに摺(スル)
と雖(イヘト)も伊豫(イヨ)の国西条(サイチウ)より出
す政紙(マサシ)尓て摺(スル)もの多し板ハ
櫻木(サクラ)を用ひ一ト色毎尓一枚
宛を刻し先墨板(スミイタ)より摺始(スリハシ)
めて色毎尓とり合せ上品のものハ
三十篇より四十篇の色を春り
合せ終(ツヒ)に一枚の錦繪と奈る宇ちハ
ハ房刕(バウシウ)より出す処の女竹を凡六
十尓割(ワリ)て窓(マド)をあ久錦繪を張縁(ヘリ)をとる也
東京錦繪製造之図
廣重画
画工 大鋸町四番地 安藤徳兵衛
(出版人 日本橋通一丁目十九番地 大倉孫兵衛)』
大意は特に難しいところもなく、読んだままで理解できます。
団扇はやはりここに記されているような竹の本物のがよろしい。プラスティックの使い捨てはあおいでも、ちっとも涼しくありませぬ。
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