大倉永常さんの著作、93歳の長寿とは江戸時代後期とは言え驚異的だな。
農具の設計図みたいな本で、使い方まで詳細にかかれている。
歴史学者の磯田道史氏さんによれば、
島原の乱を境に江戸時代の支配者は、お百姓さんの絞り方を変えたそうだ。
島原の乱で女、子どもまで含めてとにかくすべてを殺し尽くしてしまった。
そうするとコメを作る人がいなくなってしまった。
あちこちから入植者を連れてきて、復興してゆくのだが
それが並大抵な苦労ではなかったようで、
今更ながら、自分たちのしてしまったことに気づいたというわけ。
なんとも自分勝手な気づき方で、
結局は自分たち士の階層の保身と安定が基盤にあることには変わらない。
まぁ、士の農に対する絞り方が変わったということで、
農民自身も変化していった。
農書といわれるこの手の本が全国あちらこちらで書かれ始めた。
農業を科学する発端になったわけだ。
その点は確かに画期的な農業の転換点といっていいだろうな。
白黒テレビの頃、早起きしてなぜかNHKの「明るい農村」という番組を見ていた。
今にしておもうと、なんか暗いタイトルだが、
番組内容は、どことなくこの農具便利論につながっているような気がする。
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