2017年7月12日水曜日

「輪違屋糸里」と「終わらざる夏」を読んだ

 どちらも浅田次郎氏の大作。
浅田氏の小説は短編も長編の大作もどちらも好きだ。
ただひとつの不満があるとすれば、
短編・長編関係なく、最後のまとめ方なんだな。

 「輪違屋糸里」の終わり方は読後に満足感が味わえ、すばらしい。
希望と決意が吉栄のことばで締めくくられる。
グッとくる。




 「終わらざる夏」。
なんとも終盤があわただしい。




 ずっと昔にやった、「おしん」を思い出した。
「おしん」は子どもの頃やそこから育っていく過程は丁寧に感動的に描かれている。
しかし、苦労がむくわれてからの話が
アコーディオンを音が出尽くすまで絞ったくらいギュウッと畳み込まれてしまう。
襞に挟み込まれた感動なんて薄っぺらなものになってしまったな。

 「終わらざる夏」もそんな感じです。
終盤だけがいただけない。
原稿の枚数に制限があったという感じではなく、
結末の落とし所の問題だな。

 まぁ、そうはいっても
この2冊、おすすめです。



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