来たときにはいつもぐるりと一周する。
高札があった。
内容は「徒党札」というものらしい。
「明和7年4月」とある。1770年なのでちょうど今から249年前だ。
屋外に出していたものだろうに虫食いはあるが左程傷んでいないし反ってもいない。
目のよく詰まった良材である。
西川材だろうから杉か檜だろう。
ざっと年輪を数えてみると、この一枚板はゆうに百年は超えていそうだ。
ということはこの材木そのものは350年〜400年前のものとなりそうだ。
ふぅ〜、すごいね。
ちょっと調べてみた。
この高札制度は時代遅れとのことで明治6(1873)年2月24日の布告で全廃されてます。
つまり、この展示されている高札は103年間人目に触れるようにされていたのでしょうか。
そしてそれから蔵の中で146年間眠っていたことになりそうです。
木口から眺めてみると、傘の部分がちゃんと掘り込んで板をはめています。
それにしても、反ってません。
左側のところに少しでっぱった部分があります。
アリが切ってありました。
制作した当時はピッタシに作ってあったはずですが、約300年間でこの一枚板が縮んでしまったために、反り止めに入れた材木がでっぱってしまったのです。材木の性質で木目に平行方向つまり縦にの伸び縮みはほとんどありませんが、横方向は反ったり縮んだりしてしまいます。
もっと奥をみると、反り止めの材が抜けてしまってました。
アリの形状をよく見ることが出来ます。
腕の良い大工さんです。
しかし、この程度のアリ2本で反りを抑えることは難しかったはずです。
もともとのこの一枚板が良材であったことが大きいようにおもわれます。
良材を見極めるのも、腕の良い大工さんの実力のうちです。
見事な板を見させてもらいました。
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