この回想記には心を打つ話が随所にあるのだが順不同で、箇条書きにしておく。
「ニイハフ島事件」。まさかとおもうようなはなしで、始めて知った。涙なくして読めない。
「マーガレット・コヴェル」。点と点がつながってゆく不思議さ。神の御心だけでつなげてはいけないとおもうのだけれど。
P364に田舎に隠棲しているトルーマンとの会見の様子が次のように記されている。
[やがて真珠湾が話題に出た。トルーマン前大統領は笑いながら、
「キャプテン、真珠湾はね、ボス・ギュルティ(両者有罪)だよ」
と言った。私は、
「そりゃ神の前にはボス・ギュルティでしょうけれど・・・」
と言い及ぼうとしたら、トルーマンは遮ぎって、
「いいや、神の前ばかりでなく、人間の前にも、いまに史実としてボス・ギュルティが明らかに
なるだろう」
と言った。
そんなことから、戦犯釈放問題にも触れ、嘆願署名簿を携えて来ていることを話したら、
「キャプテン、心配せんでいい、もうまもなく戦犯問題は打ち切られるよ」
と話して呉れた。あたたかい雰囲気であった。]
このあとすぐにアイゼンハワー大統領と会う。
それにしても真珠湾がボス・ギュルティとは、意味深な発言である。
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