2021年12月9日木曜日

母のパンツ

 わたしが結婚を期に実家を出るとき、母がパンツを何十枚も持たせてくれた。

 母お手製のパンツをはき出したのは高校生くらいからだろうか、それとももう少しあとかもしれない。いろいろな色柄のあるとても個性的なデザイの生地で丈夫につくられている。ずっとはいていると100%ゴム紐のとおっている箇所に生地が破れてゴムがむき出しになってきてパンツの寿命はおえる。

 母が持たせてくれるとき、何枚かはゴム紐をとおしておいたけど、あとはお前が自分でおやりといわれていた。引っ越しを繰り返しても貴重品の扱いで一緒に住まいをかえた。大切にはいてきたせいかまだ数十枚も残っている。つくってくれてからかれこれ40数年たっている。こんなにもつとはおもっていなかった。わたしが寿命をまっとうしたあともまだ残ること確実になってきた。

 今朝、久しぶりに4枚をおろした。ゴム紐もとおした。もうつくってやれるのはこれが最後だからねという母の言葉を思い出していた。

 母は来年の4月で102歳になる。


 

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