2017年6月10日土曜日

獣医師数の推移

 新聞に載っていた「獣医師数の推移」のグラフが、
典型的な統計(グラフ)でウソをつく、そのものだ。



 獣医師は増えペットや家畜は減っている、ことを説明するなかで
ウソではないのだが、
ことさらに増減を強調して、印象を操作し読者に埋め込む。
どうして、獣医師増加の折れ線グラフの右上がりをこんなに強調しているのだろう。

 目盛りの幅をかえれば、どんな増減だって大きくも小さくもできるんだからさ
だめだよ、こんなにあからさまに目盛り幅を大きくしちゃ。
ボーナス左下がり急勾配で減額だな。

 現在新聞紙上を賑わしているからといって、
記者さんは高ぶる気持ちを、右肩上がりの傾きに感情をぶつけないでくれよ(んしんちゃん)。


 調べてみた。
出典は農林水産省家畜衛生統計の職域別獣医師数。



 増加しているのは、獣医師数と小動物診療獣医師数だけだ。
正確には微増しているのが大学教員等で、
横バイか微減しているのが、公務員獣医師・産業動物獣医師・会社となる。

 この表ではH20で終わっているので、H26まで追加したのがこの画像。
増加している二つだけをグラフにした。



 新聞の折れ線グラフは、08(H20)〜14(H26)がしめされているが、
この二つのグラフを比較してほしい。
2010〜2012は確かに増えているが、新聞のグラフから受ける急角度の印象は
それほどないとおもう。
むしろ、2004〜2006が急増しているといえるだろう。

 獣医師数と小動物診療獣医師数のグラフからわかることは
獣医師数の増加に比べ、小動物診療獣医師数は2008年以降
頭打ちの状態になりつつあるということぐらいだろう。

 獣医師数が全体で飽和気味をいいたいのはわかるが、
45度以上の角度で右上がりを強調することもあるまいて。


0 件のコメント:

コメントを投稿