弘前城の天守閣をめざす。
お天気は申し分ない。
満開を少しすぎてしまったのだろうか、お堀の水面は花吹雪の桜で一杯だ。
天守閣のある広場に近づくと、
満開の桜の木々の間から、にぎやかな話し声や歌声がもれてきた。
アコーディオンの伴奏で、歌っている。
すぐにわかった。
「ああ上野駅」だ。
ほとばしる汗と一緒に涙が道に滴り落ちた。
ボクは集団就職組ではないが、
就職して、集団就職してきた先輩の苦労話をたくさんきいている。
先輩たちが何度も歌う歌が、
この歌だった。
宴会のお開きは必ずこの歌だった。
ボクの年末の締めは、
12チャンネルで夕方、井沢八郎がでてきてこの曲を歌う、
これを聴くことだった。
車座の真ん中で、
アコーディオンを弾きながらの「ああ上野駅」
アコーディオンの響きは、なおさら郷愁を引き立てる。
その曲とは、うらはらに
満開の華やかな桜たち、
そして遠くに、雪を頂いた岩木山がある。
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