2017年11月12日日曜日

三島由紀夫「美しい星」を読んだ

 三島由紀夫の小説を初めて完読した。
とても疲れた。
今まで一冊も手にしたことがなかった自分の直感は当たっていたと言うべきか。



 見事な言葉を連ね、整地はされているのだが、
ゴツゴツとして、車を前に進めることができない。
道路が悪いのか車の乗り心地が悪いのか、はたまた両方共悪いのか。
普段読んでいる本の5倍かそれ以上の時を用した。
よく読み取れない部分は数度同じところを繰り返して読む。
話の段落区切りで、それまでのところを咀嚼し、こなされるのを待つ。
この繰り返しで時間がかかる。

 解説で、奥野健男は次のように締めくくる。
「『美しい星』は、日本における画期的なディスカッション小説であり、人類の運命を洞察した思想小説であり、世界の現代文学の最前列に位置する傑作である。」

 傑作なんですか。
それも、世界現代文学最前線に位置するんだって。
ふーん、わからん。

 ディスカッション小説や思想小説というものが何なのであるか知らないが、
そういった分野の小説って、読み進めるのに時間がかかるものなのですか。

 物語の中で、現実の事象をミクロにまたマクロに取り出し描くキラキラした感性が随所にあった。とても新鮮だった。
だけど、それらの表現が物語の主題にどのようにつながり熟成してゆくのかが見えない。
詩であれば、もうそれらだけで一つの世界になるだろう。

 なんか、読後感
パッとしないな。
温泉で湯あたりして、くたばった感じ。
ふぅー。


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