この「新版引札見本帖」は明治36年(1903)に発売されました。ときはちょうど日露戦争へと突入するところで、そのため見本帖の8割位までがきな臭いものになっています。
しかしながら、時代の移り変わりをみることもできるものもあって楽しめます。
「敷島の大和心を人とわバ朝日尓匂ふ山桜可那」とたばこの側面に記されています。
たばこの銘柄「「敷島・大和・朝日・山櫻」」はここからとったのでしょうが、戦争に向けて税収UPをねらっています。なにせ日露戦争のときの戦争への費用は国家予算の9割にもたっしたというのですから、まさに狂乱国家であります。「リリー」の底面の「Push this end」がとてもつたない文字です。
「一新?所各種販売仕候間従前不相変 御愛顧御引立の程伏テ奉希候以上」
たばことは関係ないのに、この時代の最先端、自転車がちらりと描かれています。着物の紫色や帯がきれいです。
こちらの箱の意匠はなんとなくお線香が入っていてもおかしくなさそう。
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