2023年8月29日に「開花人情鏡勇婦」をアップしましたが、同じシリーズのものがもう一枚ありました。
「開花人情鏡傾城」
手持ちのこれはちりめん加工されているので、文字が読みづらくなってしまったり、髪の毛の一本一本が不鮮明になってしまってますが、風合いというか感触が織物の縮緬のように、ふわりとした柔らかい感じが醸し出されています。
ネットで同じものの平紙版と比較すると、その違いが明らかです。
手持ちの発色が悪いのは写真の撮影が下手なためで、平紙版ほどではありませんが、色はそこそこ鮮やかさを保っています。
ちりめん加工は意外とめんどくさくて手間がかかります。
平紙版で完成されたものを、何枚かの布や厚紙ではさみ、それを麺棒のようなものに巻き付けて、バネを縮めるように圧縮します。その作業を、同じ比率で縮むように向きを何度かかえながら、繰り返します。もとの平紙の約7,8割の大きさになるようにして完成です。
縮緬の布のような感触になるとともに、いろいろな方向からながめてみると、立体感があり、陰影もあって、浮かび上がっているような見え方もします。
明治の版元、長谷川武次郎はこの手法を使って、日本の童話シリーズの「ちりめん本(crepe paperbook)」を、明治期に日本に訪れた外国人向けに発売しました。
いまでも古書として販売されネットで高値で取引されています。
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