2018年9月2日日曜日

「日本誌」 その5

エンゲルベルト・ケンペル 著
今井 正 編訳
霞ヶ関出版(株)上下巻 合本 1989刊

 1691年4月24日 将軍謁見後、豪華な菓子類を振る舞われたあと、長崎奉行十兵衛の館へ向かう。
「かれは襖を開け放ち、自分の右に若殿を連れ・・・『よく訪ねてくれた。将軍の謁見も無事に済み何よりであった』と歓びを述べ、茶を一服した後食事を出して『今日はゆっくりわが家の食事を味わって欲しい』と言った。出された料理は、魚の蒸し焼きに美味しいたれを添えたもの、牡蠣を殻のまま蒸し焼きにして酢を添えたもの。
これが出た時、奉行は『牡蠣はオランダ人の大好物と聞いたので、とくに料理人に腕を揮わせた』と言っていた。次は鵞鳥の肉を小さく切って焼いたもの、魚の揚げ物、茹玉子等で、料理の出る合間合間に大いに盃を傾けた。」


 やはり、各種料理の中に「茹で卵」がある。貴重品でおもてなしには欠かせぬものだったのだろうか。殻をむいて、塩を添え、丸ごとだしたのではあるまい。薄切りにしたり飾り切りにして出したような気はするが・・・。
 日本酒もおおいにすすんだようだ。

 このあとにさらにおもてなしがあることを承知していたはずだが、そこそこ満腹、酔いもほどほどだったはずである。
騎馬にまたがり、次の邸に向かう。


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