ちりめん本の魅力に取りつかれてからコツコツ落札を続けています。
今回は鼠の嫁入り。
おもっていた以上に傷みも少なく挿絵の色も鮮やかです。
そして見返しと1ページのねずみたちに感動しました。
これがその見開きで、ちりめん本の大きさは手のひらサイズ程度です。
見開きの下の一番右側のねずみの体毛が
なんと、1mmに2、3本の精緻さで描かれています。
木版画では絵師は彫師・摺師に原画をわたすとき、絵には鬢(髷の生え際)やここのような微細な毛を書き込んではなく、彫師に指示だけをして、あとは彫師の仕事にまかせていたそうです。そして次の摺師はそれを表現すべく腕を振るうわけです。
このちりめん本の絵師は鈴木華邨(すずきかぞん)ですけど、残念ながら彫師・摺師は不明です。
残りの2匹もまた同様で、
綱引きをしているような格好で、20mm〜25mmの大きさに動きと可愛らしさをこめています。
1ページのほうのねずみたち、
精緻さは同じで、一番左側のねずみの綱を引っ張る指に力をこめ、脚を踏ん張っている様子が愉快です。その隣の後ろ向きのねずみ、実際にねずみって2本足で立つとこんな格好になるんですよね。うまいなぁ。
たくさんの枚数を摺ると、とうぜん木版の彫りの角がすり減ってきます。このちりめん本はきっとまだそれほどすり減ってない最初の頃の摺りだったのだとおもいます。
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