2023年5月27日土曜日

「福沢諭吉最後の蘭学者」を読んだ

講談社現代新書 講談社 2023.3 大久保 健晴‖著

 福沢諭吉が亡くなるまでずっと蘭学者としての矜持をもち、蘭学こそが江戸から明治へと大きな変動の震源であることに確信していたこと。また朝鮮・清にも日本と同じように変革への道を歩みだしてほしいと強く願っていたこと。などがわかったことだけでも大きな収穫でありました。

 また、諭吉が学んだ蘭学の原書は、オランダでも特に古典というわけではなく、オランダもまた当時は大きな変革期であって、志を同じくする人々が集まって結社を作りその活動の中で出版された教科書的なものなど、いわば新刊書であったことに驚きました。それらの書籍には当然、当時オランダの新しい息吹が流れていたわけで、その風が幕末日本にも吹き荒れたような気がしてなりませんでした。

 

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