2018年8月21日火曜日

ケンペル 礼節の国に来たりて

ミネルヴァ日本評伝選
ミネルヴァ書房 2009.9
B.M.ボダルト=ベイリー 著
中直一 訳

 前作「ケンペルと徳川綱吉」1994 からさらに明らかになったことを加え改訂した
ケンペルの確固たる伝記になっている。
読み応えは十二分で、とても満足のゆく本です。

 ケンペルの生前の大著「廻国奇観」はネットで見ることができる。



 一番下の行に「Typographi,1712」とある。(印刷)プレスしたのが1712年ということだろうが、
挿絵の銅版画も職人を雇って仕上げさせた。文章はすべてラテン語。総ページ数988頁。
これを自費出版しているのだから、言葉を失う。

 ケンペルの一番優れているところは、あの時代にあって、自分の知っているあらゆる事柄と異なるものを偏見なく調査し、認め受け入れていることだろう。
現代にあって一番欠けていることではないか。

 巻末の参考資料や論文名がとても役に立つ。



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