シウマイ弁当の中身は一体どれくらい変わっていないのだろう。
筍煮のあの味と歯ごたえが好きだ。
鮪の照り焼き、鶏のから揚げ、毎回同じものに箸をつけ、同じように旨いなとおもい、切り昆布や生姜で口の中をシャキッとさせる。
シュウマイ弁当はあっという間に完食した。
脇にはまだ十数個残っていた。
目でもう一つよいかと、弁当番をしている人にきく。
個人的に知っている人だ。
残ってもしょうがないから食ってくれと持ってきてくれた。
もうちょっと、アイソヨクしろよ。
1つ目のときと同じように丁寧に紐をほどく。
シュウマイ弁当は昔も今も人の手で包装しているときく。
蓋についたご飯粒から食う。
2つ目は、シュウマイひとつひとつにチョコチョコと辛子をつけ、醤油の口をシュウマイに押し付け、中に醤油が入るように押す。押しているときに失敗すると廻りに飛び散るので熟練者の技である。手間が掛かるがこうしておくと、辛子と醤油をいちいち付けることもないし、弁当箱が醤油で汚れることもない。
2個目のシュウマイ弁当もあっけなく完食してしまった。
ボクが食べているあいだ、誰も食べに来る人はいなかった。
ボク一人で食っている。
弁当番の知人は、チラチラこちらを見るともなく視線をながしていたが、
いい食いっぷりだねぇ、と声に出すまでもなく、何も言わないのにもう一つ持ってきてくれた。
ホントはどうおもってるんだい、そんな目でみるなよ。
ボクはありがとうと何のこだわりもなく手にした。
3つめになる。
(つづく)
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