2020年9月6日日曜日

「基地の消長1968-1973」川名晋史著を読んだ

  日本本土の米軍基地「撤退」政策

勁草書房 ¥3500E

ISBN978-4-326-30290-1

 詳細で重みのあるどっしりとした内容の本であります。

章ごとに「小結」があります。

是非、小結を骨子とし終章でまとめるといったリーフレット程度の手引書を発刊してほしい。

より詳しく知りたくなれば本書を読めばよろしい。


 わたし自身、横浜生まれ。どこにいっても米軍関係施設だらけ。

根岸近辺まで遊びに出かければ、金網の向こうは緑の芝生に平屋の一戸建てや蒲鉾兵舎型の住居。

現在でも座間キャンプを見てみればよい、かたや米軍施設の隙間だらけの施設、金網と道路一本隔てたこちら側は公団住宅型住居が所狭しと林立し人口密度を上げている。


 そしてわたしは隠居して埼玉県西部に住み、そこは横田基地に発着する航空路にあたっている。

着陸態勢にある航空機はみな車輪をだして、ほんの数分後には横田基地に着陸する。

その向こうには入間基地に出入りするが航空機が見える。


 このような国土になったのは、戦争に負けたことが原因だろう。

戦争を仕掛けた(または仕掛けるように仕向けられた)のは日本にほかならぬ。


 敗戦国日本が勝者米国の手のひらの上でどのようにもてあそばされようが、それはかまわぬ。勝者連合国際連合で日本は敵国条項の国なのだし将来も変わることはあるまい。


 とても簡潔に言ってしまえば、こんな状態にしてしまっているのは、日本の政治指導者たちが米国にずっといてくれお金の心配はいらぬとお願いしているのだから、たまらぬ。

もっとくだいていうと、米国は軍関係を縮小・撤退したくてたまらないのだが、日本がそこをなんとかお願いしますと平身低頭して袖をひっぱり、裾にすがっているというのが実情だろう。あぁ~~情けぬ。


 このような状態を将来どうするか、八方塞がりでさきが見えません。

どこかにその端緒があるはずなのだがと読後しばし雨の外をながめ続けた。


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