2022年12月12日月曜日

2023 Calendar January

 New Year's Day in the Snow.

View of Matsuchi Yama

from the Mimeguri ferry.

国立国会図書館蔵。

カレンダーは雪の積もった正月のお飾りが顔を出している小屋の壁にあります。


 ここの風景を広重は何度も何度も繰り返し描いています。「東都名所 真土山之図」「江戸名勝図会 真乳山」「東都三十六景 今戸橋真乳山」「大日本六十余州名勝図会 六十余州名所図会 武蔵 隅田川雪の朝」「江戸高名会亭尽 今戸橋之図 玉庄」。

北斎も。「画本東都遊 待乳山」「絵本隅田川両岸一覧 待乳山の紅葉」。

豊国も。他にもたくさんの絵師が四季折々の風景画を残しています。

 このカレンダーに近いのは次の小林清親の木版画「東京名所真景之内 如月 待乳山雪の黄昏」(明治29年(1896))です。


 この「長谷川武次郎 著」の冊子はちりめん本といわれているものです。

国立国会図書館の資料「第88回 常設展示 「お伽の国」日本とちりめん本」 平成10年3月24日~4月24日」の冒頭に次のようにあります。

「ちりめん」本、ご存知ですか?

「ちりめん」といっても、絹製ではありません。印刷済みの和紙をちりめん仕立て(ちりめん紙)に加工した後、和綴じ製本したものです。手触りの柔らかいちりめん紙に、鮮やか な色刷りを施したちりめん本は、外国人に日本文化を紹介するものとして出版されたよう で、明治中頃から昭和の初めにかけて長谷川武次郎が出版した『日本昔噺』シリーズが有 名です。

 画像を少し拡大してみると、なるほど今でいうエンボス加工のような不規則な凹凸があって、なんとも言えぬ感触肌触り感がただよっています。写真やコピーでは本物のちりめん紙の雰囲気をかもしだすことすら無理でしょう。

 こちらに来る渡船に傘を指し御高祖頭巾のご婦人がのっています。みなさん立ったままで心配ですがわずかの川幅をみめぐりするからかもしれません。待乳山の麓には2階建てのお店があって正月祝日を日の丸で祝っています。また今戸橋を渡っている人も描かれ、その橋の先にはやはりお店が何軒も描きこまれています。

 寒寒とした中にも正月のはれやかであたたかい賑わいがしんしんとつたわってきます。

つづく

 

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