アボック社出版局 1996.11
小山 鉄夫 編著
地味な本です。
でも、学術研究とか学問は、こうやってコツコツ地味な積み重ねで
門外漢には、一体こんなことやってなんの役にたつのだろうということが
ほとんどだとおもわれます。
黒船が持ち帰った植物の写真が豊富にあります。
ちょっと感動します。
道端や神社などの森の際で摘み取り、大事に持ち帰り、標本を作る。
少しでもその作業をしたことのある人ならば、
それらの標本を見て、当時の日本の草木の風景を想像できるでしょう。
本の間にそっと挟んでおいた押し花、
何年か、何十年かたって、ふっと手にしたその本から押し花がでてくる。
当時のことが次々と頁をめくるようにあらわれる。
標本は標本という役目だけではなく、小さなタイムマシンです。
それらからは当時の風景だけでなく、そこから風がそっと流れてくるような気さえします。
ユキノシタがあります。
採集地は下田です。
まるで蝶の羽を展翅するかのように、葉を大きく広げ標本にしています。
潮の香りがするのでしょうか。
植物や化石と語り合うことができれば、
たくさんのことを教えてくれるのではないかと、いつもため息が出てしまいます。
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