徳間書店 1990.4
足立 和 著
中味の重い深い感動する実話である。
わたしみたいにちょうどこの時期の日本人の漂流記やまたは遣米使節団などの話、
諸外国からやってきた異国人の日本記などを読み漁っているものにとっては、
それらの経緯を知っているだけになおさらである。
よくもまあ、これだけの話をこの程度の厚さにおさえたものだとおもう。
もっと詳しくしりたかったら、
巻末の参考資料などをたよりに個別に読みなさいということだろう。
この本の厚さと、無言のそういった配慮がうれしい。
中浜万次郎ことジョン万次郎は有名だが、この本に出てくる彦蔵はそうでもない。
この彦蔵、日本人でアメリカ市民権をとった第1号である。
それも自分からそうしたくて市民権を得たのではなく、お世話になった人に勧められ説得されて受け入れている。後々、このことが人生を大きく広げることになるとはこれっぽちも当人は思っていなかったようだ。
書きたいことはたくさんある。
でも今は、この本を一人でも多くの人に読んでもらいたいと願うばかりである。
なお、ネットに接続できるならば下記アドレスで概要を読むことができる。
http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/1796/1/40-3-4miyanaga.pdf
また、国立国会図書館デジタルコレクション内にある「異国漂流奇譚」(昭和2年出版)では全文を読めるし、ダウンロードも可能です。
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