2019年12月13日金曜日

「歴史を記録する」吉村 昭 を読んだ その3

河出書房新社 2007.12
対談集。

『徳川幕府は偉かった』 半藤一利v.s.吉村昭 がおもしろいし今までの疑問が解けた。

○尊王攘夷倒幕の薩長が明治になって手のひらを返したように攘夷とは正反対に外国の文化を受け入れだすのは何故か?

半藤 西郷隆盛は希代の革命家です。鳥羽伏見の戦いの直前に、
岩倉具視が薩摩の中村半次郎(桐野利秋)に向かって、
「幕府討伐が終わったら、いよいよ次は攘夷だね」というんです。
すると中村半次郎が驚いて、「えっ岩倉公はご存じなかったんですか」
「なんだ?」
「攘夷なんて全然するつもりはありません。できません」
「ええっ!」って岩倉はおったまげちゃう。
それでそれをそばで聞いていた有馬藤太が岩倉邸を辞去したあと、中村半次郎に
「さっき、あんたはあんなことをいったけど、ほんとうか?」
「なに! おまえも知らんのか。攘夷なんか考えていないよ、おまえ」。

 それでたまげた有馬が西郷隆盛のところに聞きにいく。ほんとうに攘夷はしないんですかと。
すると、西郷隆盛が
「あら、おまえにはまだいわんかったかなあ。攘夷は倒幕の方便よ」って。攘夷なんかできるはずないじゃないか、今日から頭を切り替えろといわれたと有馬が書き残しているんです。


 いやぁ、ここも痛快痛快。


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