2017年8月11日金曜日

絵日記帳 その11

 


 昼寝かぁ、小学生の頃というか小学校に上る前も
夏になると昼寝をしていたのはよくおぼえているな。

 ゴロッと横になると、兄が読んでいた小説の適当なところを
朗読して読み聞かせてくれることもあった。
その話があまりに面白いので、目をつむったまま寝たふりをして
ずっと聞いていたこともあった。
でも、兄には弟が寝たふりをしているなんて先刻承知していて
いつまでも読んでくれたな。
そのときに読んでくれた滑稽な話は今でも覚えているから
不思議なものだ。

 昼寝から目覚めると、ふかし芋などのおやつが
ちゃぶ台の上にのっかていることがよくあった。
小さかった頃は、それが魔法のようにおもえた。
なんにもなかったちゃぶ台に、目が覚めるとふかし芋があるなんて
魔法以外の何物でもなかったよ。



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