2018年1月14日日曜日

頭髪は皮膚

 小中高の教育現場でまた頭髪問題が話題になっている。
もう半世紀以上前からなんの進展もしていない。
丸刈り問題がいくらか解決したくらいか。

 フランスではかって、いや今でも?、頭髪検査が小学校などで行われていた。
シラミとその卵を検査するためである。
衛生状態が不十分だからなのだろう。
必要な頭髪検査である。



 黒人の子どもが、どうして自分の皮膚は黒いのだろうと
ゴシゴシこすり続けた。
全く落ちない。
そのうち血が滲んできた。
痛い。
赤い血がでてきた。
子どもはポタポタ流れ落ちる赤い血を見つづけた。
赤い。

 友達の白人が転んで膝を擦りむいたとき
赤い血が滲み、すねに赤い筋となって流れていたことを子どもは思い出した。
あれも赤かった。

 自分は黒く、友達は白い。
でも、流れた血の色は
同じ赤だった。

 子どもはそれから二度と肌をこすることはなくなった。



 肌が黒いからといって、教育現場では地黒証明書を書かせるのだろうか。
肌が白いからと、色白証明書を求めるのだろうか。

 道徳の教科書には、教育現場が生徒たち行っている頭髪指導に関わる教材の話はのっていない。


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