2019年10月30日水曜日

「幕末の外交官森山栄之助」を読んだ

弦書房 2008.6
江越 弘人 著

 とても丁寧に調べ、森山栄之助の人となりなどもよく記述されています。
森山栄之助研究する方は必読の書であります。

 晩年の明治初年から数年、亡くなるまで横浜に暮らしていたこと感慨深いです。
ジジイの故郷であります。
今の官庁街か関内近辺あたりに住んでいたのでしょうか。

 もっともっと着目されスポットライトを当てられてしかるべき仕事をした人です。
よくまああの激動の時代、隣国清のように国土を蹂躙されることもなく、植民地化されることもなく、金銀交換比率、治外法権などたくさんの問題はありましたが、なんとか乗り切ったのです。
下支えした人々の1人が彼であることは間違いのないことであります。

 外務省には陸奥宗光の銅像がありますが、森山栄之助の銅像なり顕彰碑を加えてほしいものです。


 この本の最後に、森山栄之助が長崎の妻おふゆ殿へあてた去状があります。
翻刻がないので、記しておきます。


去状之事
さりじょうのこと

一   其 許 致離縁   候   處  相 違
ひとつ そこもとりえんいたしそうろうところあいちがい 

無之  候   依而 此 後 何 方 江被致
これなくそうろうよってこののちいずかたへ

縁 付     候   共 差 構  無之  候
えんづけいたされそうろうともさしかまえこれなくそうろう

仍而 去 状  如件
よってさりじょうくだんのごとし

天 保 十  三 年 丑 十  一 月
てんぽうじゅうさんねんうしじゅういちがつ

森 山 栄 之助 (花押)
もりやまえいのすけ

おゆふ殿 江
おふゆどのへ








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