夏の暑い時分、他の観光地には目もくれず、一日中ルーブル美術館は地下にあった
エジプトコーナーとでも言うのだろうか、そこにこもった。
タイムマシンにのった気分だった。
展示物を見ては、そばにある長椅子に腰掛け当時の生活を空想した。
歯ブラシや櫛、「この時代にもあったんだ」、日常生活品が新鮮だった。
ながめ疲れると、また長椅子に腰掛け、うとうとした。
夢うつつですぐに何千年も前にいざなってくれる。
先日、テレビで宇宙線を利用しピラミッドを透視する番組を見た。
興味深い。
ピラミッドはどうやって造られたか、というテーマは子どもの頃より大好きだった。
映画・テレビ・科学雑誌記事などでそれに関する事柄なら何でも調べた。
先日のテレビを見ていたとき、子どもじみた着想を得た。
ピラミッドのすべてを知りたいのなら、バラせばよいのではないか。
現代の建築技術ならば、
クフ王のピラミッドは余裕を持ってすべてを頑丈な鉄骨で覆うこと可能だ。
覆った建屋と同じものをすぐ隣にもう幾つか建てる。
後はクレーンゲームよろしく上から一つ一つブロックを取り除いてゆく。
ブロックの隙間には砂などが多量にあるから、そのつどそれらは吸い上げる。
十年もその作業を繰り返せば、だいたいバラせそうな気がする。
全て調べ終わったら、逆の作業をしてもとに戻す。
気の遠くなる作業で、金額も何兆円かかるかわからないが、
急がば回れで確実だ。
日本の神社仏閣・五重塔なども、それらの建築物は基本、組んであるだけなのでバラして、
修復し元に戻している。
何カ国も協力しあって、平和事業としてやってくれないかなぁ。
ガリバーがピラミッドの前の砂漠にあぐらをかき、小さな岩ブロックを指先でつまんでは
隣の空き地におき、一つ一つ丁寧に、ときたまフッと口をとがらし、砂を吹き飛ばしたりして
ピラミッドの積み木をはがしてゆく。
考えただけワクワクする。
プロジェクト名はガリバー。
秘密を知りたい。
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