『第6章「鎖国」を見直す』。
速水氏の研究で、鎖国期の一世帯あたりの世帯規模が4〜5人になったという。
川勝氏が続けて、
○なぜかというと、その規模こそ最も合理的にものが生産できる生産単位であった。
○タコ壺的に日本社会の中で単婚小家族化が進行したのではなく、
○外からのチャレンジがあり、国産化だけでなく、それと関係する世帯の小規模安定化も、
○国際関係の中での日本の対応の現れであった。
トビ氏がこの章のまとめ的なことをバッサリと切り込む。
○明治維新が起こるまでの日本の家族制度も、日本のタコ壺ではなく、国際環境の中で作られた。
○家族制度にまで国際環境が入り込んできている。
○「鎖国」時代と称され続けてきた日本の主流のナレーティブ(語り口)を大幅に書き換える必要がある。
○新しい日本史 ーーーいわゆる「鎖国」時代を通じてさえ、日本は国際環境によって作り上げられてきた ーーー を主流とするナレーティブを作らなければならない。
この議論の前段は勿論あり、上記の議論と密接に関係する。
○17世紀日本の人口は3倍になる=>都市化が急に進む=>商業化が進む=>貨幣経済が進む=>
今まで海外に輸出していた貨幣需要が国内で急速に高まった。
○17世紀日本は貿易赤字大国=>従来の輸入品をどうしても国産化せざるをえない局面になった
○貨幣不足と国産化
詳しくはやはり本書を読んで下さい。
「風が吹けば桶屋がもうかる」とは荒唐無稽な笑い話だが、
江戸期260年間に海外との出入りを著しく制限した時期でさえ、
日本の基幹に関わる諸方面に国際環境が大きく影響しているという結論、
研究者たちの深く説得性のある論理の組み立てに、ジジイはまたしても昼寝を逃した。
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