2018年5月23日水曜日

「犬の日本史」を読んだ

人間とともに歩んだ一万年の物語 吉川弘文館 2012.7
谷口 研語 著

 犬については断片的な雑学があるつもりです。
その隙間を埋める、日本書紀・古事記・徒然草など古代・中世の書物にあらわれる
犬そのものや犬があらわれる神話のたぐいは参考になりました。

 本書の構成が時代順に記載されているのが、とても気になりました。
日本史というとすぐに当たり前のように縄文弥生古墳古代中世・・・と時代順に並べる。
わたしはあれ大っ嫌いなのです。

 文章の組み立てが散漫に感じました。
故事にあらわれる犬を引用するのはよいのですが、
それが今この時代のどこにあらわれまた隠れているか、つながっているかまでを記述しないと
引用文を読んで、ふーん、で終わってしまいます。

 鷹狩と犬の関係・犬を食い、犬に食われていた・外国人の見た犬など興味深いはなしはたくさんあるのですから、章立ての順番をかえるとか、古い文献を最後の補足にまとめるとか工夫があるはずです。

 もっとおもしろくできる本なのに、もったいない残念な本になってしまいました。

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