2022年7月18日月曜日

「テニスボーイの憂鬱 下」を読んだ

テニスボーイの憂鬱 下集英社文庫

集英社 1987.10

村上 竜 著


P169

「青木さんは、どんなタイプの女が好きなの?」

「目が大きいのがいいな」

「人形みたいだから?」

「そうじゃなくてさ、何となく、視野が広そうじゃないか」

「あたしね、小学校の頃、デメキンって言われてたの」

「それはおかしいよ」

「なんで?」

P170

「デメキンっていうのは目が出てるんだろう、目が出た奴のことを言うんだよ、可奈ちゃん、出てないよ」

「でも、そう言われたんだもの」

「目が大きくてさ、澄み切ってる女に頭が悪いのはいないね」

「あたしはどうなるのよ」

「頭の良し悪しって学校の成績とは関係ないんだぜ、とにかく俺は嫌いなんだ、まぶたが分厚くってさ、目の玉が隠れているみたいのいるだろ?目が包茎みたいな女、たまんないな」

「ああ、そういうのってね、一番メイクしにくいの、明るいシャドウも使えないしね」

「目が包茎の女は絶対どこかに欠陥があると思うよ」

「そう言えば、そうかも知れないわ」

「絶対そうだよ」

「メイクしててね、思うんだけど、目の小さい人っていうのはまわりを気にする人が多いわね、何ていうの、他人の判断がすごく気になっるっていうか、自分で決められない人多いみたい」

 

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