テニスボーイの憂鬱 下集英社文庫
集英社 1987.10
村上 竜 著
P169
「青木さんは、どんなタイプの女が好きなの?」
「目が大きいのがいいな」
「人形みたいだから?」
「そうじゃなくてさ、何となく、視野が広そうじゃないか」
「あたしね、小学校の頃、デメキンって言われてたの」
「それはおかしいよ」
「なんで?」
P170
「デメキンっていうのは目が出てるんだろう、目が出た奴のことを言うんだよ、可奈ちゃん、出てないよ」
「でも、そう言われたんだもの」
「目が大きくてさ、澄み切ってる女に頭が悪いのはいないね」
「あたしはどうなるのよ」
「頭の良し悪しって学校の成績とは関係ないんだぜ、とにかく俺は嫌いなんだ、まぶたが分厚くってさ、目の玉が隠れているみたいのいるだろ?目が包茎みたいな女、たまんないな」
「ああ、そういうのってね、一番メイクしにくいの、明るいシャドウも使えないしね」
「目が包茎の女は絶対どこかに欠陥があると思うよ」
「そう言えば、そうかも知れないわ」
「絶対そうだよ」
「メイクしててね、思うんだけど、目の小さい人っていうのはまわりを気にする人が多いわね、何ていうの、他人の判断がすごく気になっるっていうか、自分で決められない人多いみたい」
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