ある英人医師の幕末維新 W・ウィリスの生涯
中央公論社 1985.4
ヒュー・コータッツィ著
とってもおもしろい。ウイリスの膨大な手紙を著者がまとめている。
ウイリスは医者なので、1868年の大混乱のなか、あちらこちらへと医療に奔走する。
当時ほとんど日本は漢方医ばかりで、蘭学を学んだ医者もいたのだが、戦争の現場では銃創の治療を知ってはいなかった。刀傷や槍の傷はほとんどなく銃弾によるものだとウイリスは報告している。骨折治療の基本である添え木(副木(ふくぼく))もしらなかったとウイリスは呆れ果ているのだが、そうばかりもしていられない。彼らを教育し助手として手伝わせている。
副木もしらなかったとあるのは、目の前で治療したのだから真実であるとおもうのだが、時代劇では副木を骨折箇所に包帯で巻いたりつるしたりしてよくでてくる。あれは全部ウソだったということになる。時代考証などどうなっているのだろう。
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