2018年2月20日火曜日

秀吉とフロイス

 信長亡き後の秀吉についてもフロイスは克明に記している。
信長以上の我々の理解者だと持ち上げたりしているが、一方で戸惑ったりもしている。

 どうやら秀吉はフロイスたち宣教師がもたらす富と船に興味があったようだな。
信長は宣教師を世界の窓として彼らがもたらす知的情報を欲した。
秀吉はポルトガル船がもたらす物資と船そのものを欲した。
信長と秀吉、水と油だ。
だからこそ、信長は秀吉を取り立て重用したのだな。


 それにしても、フロイスをはじめ彼らの布教の仕方といったら、ひどい。
信者になった民衆に神社仏閣の破壊命じ、徹底的に打ち壊し焼いた。
日本の神は悪魔であると、こともなげにけなす。
日本人は礼儀正しく謙虚であり正直であると持ち上げ、自分たちの権威的で尊大で横柄な態度は当然だと思っているし、平気で二枚舌を使う。

 イエズス会の実態は、武器を持たぬ軍事集団か。
なんせ、会の創始者ロヨラは軍人だったというからな。

 あの有名な遣欧使節団が宣教師ヴァリニャーノの思いつきであり、
日本からの親書は自分たちでこしらえた偽物で花押さえ偽造したとはな。
まぁ、彼らの目的は達せられたのだが。

 遣欧使節団の少年たちがローマ法王グレゴリオ13世と謁見する場面は感動的だ。
茶番とも言うが、教会内の情景が眼前に浮かぶ。

 このグレゴリウス法王、それまでのユリウス暦の改良を命じ、
1582年10月15日から実施させた人だぞ。
現在でも使われている太陽暦だな。

 それにしても、当時の宣教師たちの年次報告書等は研究者たちの宝庫であることだけは確実だな。
そのことだけは、彼らはよい仕事をした。


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