2017年1月15日日曜日

朝日新聞 オピニオン&フォーラム 米軍基地のこれから を読んだ

朝日新聞 2017年1月14日 朝刊 15ページ 東京本社版




 米国MIT教授 Richard Samuelsさんの記事が明晰だ。
また、ちょうど私自身が今読み進めている本が『「日米合同委員会」の研究』なので
まことにタイミングがピッタシだった。

 氏の話の中には「日米合同委員会」という言葉は、でてこない。
敗戦後の日本復興にあたり、日本のとった方針(吉田ドクトリン)は、
防衛予算は少なく(安全保障は米国に依存)、経済的繁栄をめざし、
米国の安全保障に「ただ乗り」ならぬ「安乗り」をすることと、まことに歯切れ良い。

 その方針のために、吉田茂は占領軍の基地の維持を望み、米軍は駐留軍と名を変え
占領軍時代の特権をそのまま持ち続け現在に至っている。

 氏は2011年の東日本大震災のトモダチ作戦をみて、吉田ドクトリンを引き継いでいる現状を根本的に見直すのではと期待したとあるが、千年に一度と言われたあの未曾有の大災害でも見直すどころかびくともしない強固なものということがかえって示される結果となってしまった。
原発だって引き続き継続するというのだから、その強固さは異常だろう。

 あのとき、米軍は原発事故の上空を、くまなく放射能汚染の状況を調査飛行した。
風向きが北西に流れたので、首都圏に流れ込まなかっただけなのに
首都圏、特に東京中心部霞が関が汚染されていても、原発を続行させただろうか。
それら危機感の想像の欠如、または意識してそれらを考えないという国を司っている方々の思考回路の短絡さは恐怖以上のものを感じる。

 そして氏は、吉田ドクトリンに代わる国家戦略について、国民的な議論を深めるべきであったと指摘する。日本が自らの生き残りのために何を選択するかが、問われているからだとする。

 全くそのとおりだ。
国民的な議論をするためには、その土台となる様々な資料は公開されねばなぬ。
過去と決別し新しい国をつくり未来志向という政府が引き続き吉田ドクトリンを維持強化するのでは、基礎づくりからぐらついている。
 二重会計簿のようなことをすれば、その会社は潰れる。
非公開の裏帳簿をつくっている単なる協議機関である日米合同委員会は、国を滅ぼすつもりか。
巻き込まないでほしいと個人的におもっても、日本国民のひとりなのだから
それは無理っていうもんだ。

『「日米合同委員会」の研究』を読了したので、次はそのことを記します。


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