2018年3月12日月曜日

司馬「江漢西遊日記」の旅 その6

 鮪の輸送。

 天明8年11月17日。
「・・・さて平戸城下、海岸に人家並びて、此節鮪漁にて大船岸に着、一艘に何万、数艘に積む故、海の潮、鮪の血流れて赤し。鮪船、此時雨の嵐に帆を張り、玄界灘を過ぎて下関に至り、防州灘を越え、阿波の鳴門を渡り、志摩の国鳥羽浦に掛け、伊豆の東洋を経、四五百里の海上、七八日にして江戸に着。十二月、五嶋マグロと云物なり。兼ねて船に塩を貯え、船滞る時は塩漬けにす。其価十分一となる。・・・」

 すごいな、鮪を江戸まで運んでいたんだな。
みかんや酒を運ぶのとは訳が違う。
なんせ生もの、塩漬けなんかにしてたまるかと、
荒海かっとばして疾走したはずだ。

 江戸っ子はこれを寿司で食い、
「長崎は平戸の鮪、いやぁ~~うめぇ、伊豆のとはちげぇ」
なんていってたんだろな。


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