2016年9月14日水曜日

ピーター・バラカンさんのこと

 有名なブロードキャスターで、音楽評論もたくさんされてる方です。
ボクと同世代で、雑誌やTV・ラジオなどでたくさん登場し、
好んで読んだり見たり聴いたりしてます。

 彼が雑誌か新聞のコラム、(いやラジオだったかなぁ)で、
日本に始めてきたときのことを話していた内容が何故か印象深く、今でも覚えています。

 1975年、梅雨時の雨降しきる、ジメジメした夜の羽田空港に到着します。
空調の効いていた機内から一歩外に出ると、ねとつき、まとわりつく空気と湿気。
初めての日本の洗礼で気分は落ち込みます。
 
 迎えの車で首都高を走ります。
雨でけぶったビルにへばりつくように虚ろな光でボンヤリと見えるネオンサインが
カラフルという輝きとは程遠い、場末の匂いを放ち
「なんていうところにきてしまたんだ」
と、さらに気分を落ち込みさせます。

 着いたばかりなのに、もう帰りたい。
このまま車を羽田へ向けて、帰りの飛行機に乗りたい。
産業道路沿いの疲れた工場群が見えてきて気分は今までよりも何倍も激落します。
「日本なんてこなきゃよかった。」
「帰る。」
本当にそうおもった。

 こんな風に書か(語ら?)れていたのですが、
40年以上前の記憶なので確かではありません。
この後にもいろいろ書いてあったはずなんですが、
この初めて日本の土を踏んだときの、戸惑いと憂鬱さと極端な落ち込みのところが鮮烈で、
ボクの性格がひん曲がっていると誤解してほしくはないんですが
初日本でウキウキしてないところが、好感を持ったのでした。

 彼は昨日(20160913朝日)の夕刊でカタカナと英語発音のことに言及しています。
ボクもかねてより興味を持っていた事柄でした。

 その紙面からひろうと、
ポール・マッカートニー ポール・マカートニ
モンキー マンキ
マネー マニ
ショッピング ショピング
ランニング → ラニング
ハッピー ハピー
セロニアス・モンク セローニアス・マンク
テキサス テクサス
などなど

 ボクの発音に関しての数少ない自慢のひとつは
「日本語の本当に上手な外国人は、カタカナを正確に発音のできる人である」
という定理があります。
つまり、バラカンさんの言われていることと逆なんです。
(はなしの内容としては同じことを言っていますが)
これができる外国人の方って、実に少ないんです。
どうしても元の発音が残ってしまうんですね。

 この件に関しては
中浜万次郎ことジョン万次郎の「英米対話捷径」が参考になります。



ジョン万次郎は先入観がなく、ローマ字もまだなかったので、
彼が耳に聞こえた通りの正確なカタカナで記しています。



 ちなみに、ローマ字のヘボン式の「ヘボン」の英語は「ヘップバーン」。
だから、映画「ローマの休日」の女優さんの名前は「オードリー・ヘボン」。
あれっ、オードリー ??? (春日かね)


 以前米国への飛行機の中で水が飲みたいのに通じなくて困っていたご婦人に
ワラと言ってくださいと伝えたところ、大変に喜ばれました。
まずは伝わる発音を音から学び、正確な発音はその後に学び繰り返すべきなんです。

 バラカンさん、これからもご活躍お祈りしています。




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